老犬が踏ん張れなくなってしまった時の対処法について獣医師が解説|ブログ|前橋市のどうぶつのウェルネスセンター【動物病院併設】
〒371-0804 群馬県前橋市六供町1丁目8-3
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老犬は踏ん張れなくなってしまうことが多い
老犬になると、加齢や病気が原因で急に踏ん張ることが難しくなり、歩行や運動、排泄に異常をきたしてしまうことがよくあります。
踏ん張れなくなってしまう原因としては単なる老化や病気、ケガなどいくつも考えられ、不安になってしまう飼い主様も多いのではないでしょうか。
今回は、老犬で多い踏ん張れない症状の原因や対処法、予防法などについて詳しく解説していきます。
老犬が踏ん張れなくなってしまった場合に生じる問題
老犬の踏ん張る力が衰えてくると、次のようなトラブルが生じることがあります。
歩くときにふらつく
踏ん張る力が衰えている場合、多くの場合は後ろ足の筋肉の力が弱っています。
後ろ足の筋肉は歩いたり走ったりする際にとても重要な筋肉のため、この筋肉が弱っていると歩いたり走ったりした際にふらついてしまうようになります。
うまく排便できない
踏ん張る力が弱くなると排便の姿勢をうまくとれなくなったり排便時にうまくいきむことができなったりすることで、うまく排便をできなくなってしまうことがあります。
状態が悪いと、便秘になってしまうこともよくあるため注意が必要です。
老犬が踏ん張れなくなってしまう原因
老犬が踏ん張れなくなってしまった場合、原因としては次のようなものが考えられます。
加齢による筋力の低下
健康な老犬が踏ん張れなくなってしまった場合、最も多い原因が筋力の低下です。加齢によるものなので、治療の対象にならないことがほとんどです。
関節痛
老犬では関節の病気により関節痛が生じることが多くなります。関節に痛みがあると、踏ん張ることができなくなったり、歩行に異常をきたしたりすることがあります。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは犬でよくみられる脊髄の病気で、発症すると首や腰に痛みを生じたり、足の麻痺が生じたりしてしまうことで、うまく踏ん張ることができなくなってしまいます。
ミニチュアダックスフンドやビーグル、フレンチブルドッグ、ペキニーズ、シーズーなどの犬種では遺伝的に発症が多くなっています。
脳疾患
脳炎や脳腫瘍などの脳疾患でも踏ん張れなくなってしまうことがあります。これらの脳疾患が原因の場合、震えやけいれん、異常行動など、その他の神経学的異常も症状として現れることがあります。
脳疾患が原因の場合、MRI検査や二次診療施設での治療が必要になることもあります。
老犬が踏ん張れなくなってしまった場合の対処法
老犬が急に踏ん張ることができなくなった場合、次のような対処をしてあげるといいでしょう。
適度な運動をさせる
加齢による筋力の低下が起きている場合、軽い運動をさせてあげるようにしましょう。少しでも運動をさせることで、筋力の回復や残っている筋力の低下を防ぐことができます。
ケガの原因になるため、激しい運動は決してさせてはいけません。できる範囲で少しずつ歩かせる程度の運動が適しているでしょう。
リハビリをさせる
椎間板ヘルニアなどの神経疾患が原因で踏ん張ることができなくなってしまった場合、リハビリをしてあげることで状態が改善することがあります。
自宅でリハビリをしていく場合は、軽い足の曲げ伸ばしを行うストレッチや、歩行の介助などを行なってあげるといいでしょう。
動物病院でもリハビリをしてもらうことができる場合もあるので、獣医師に相談してみるのもいいでしょう。
サプリメントを与える
関節炎が原因の場合はサプリメントを与えるのもいいでしょう。劇的な改善は期待できませんが、関節炎の悪化を遅らせる効果が期待できます。
食物繊維の多い食事に変更する
踏ん張ることができないために便が出づらくなったり便秘になったりしてしまっている場合には、食物繊維の豊富な食事を与えるのもいいでしょう。
食物繊維には水分を保持して便を軟らかくしたり、腸内細菌のバランスを整えたりする効果が期待できます。
整腸剤やサプリメントを与える
踏ん張れないことで便秘になってしまっている場合は、整腸剤やサプリメントを与えるのもいいでしょう。
便を適切な柔らかさにすることで排出しやすくしてくれます。整腸剤にはビフィズス菌が含まれているものなどいろいろ種類があるので、獣医師に相談してみるといいでしょう。
動物病院に連れていく
動物病院に連れていくことが最も確実な方法です。踏ん張れなくなってしまった原因が加齢による筋力の低下によるものなのか、病気によるものなのかを検査により見極めることができます。
検査をする場合は血液検査やレントゲン検査を行うことが多いです。
踏ん張れなくなってしまうことを予防する方法
若いうちからよく運動させてあげるようにしましょう。しっかりと筋力をつけておくことで筋力の低下を予防できます。
しかし、激しい運動やソファへの飛び乗りなどは関節炎などの原因となるため注意が必要です。無理のない範囲での運動を心がけましょう。