ブログ
Blog
ブログ
Blog
老犬は息が荒くなることが多い
老犬になると体力の低下や病気などにより、息が荒くなってしまうことが多くなります。老犬の呼吸が荒いと、飼い主様もとても心配になってしまうかと思います。
呼吸は動物が生きていく上で必須の機能であるため、老犬の息が荒く、苦しそうにしている時には特に注意が必要です。今回は老犬の息が荒い時の原因や対処法などについて詳しく説明していきます。
息が荒い原因
健康な犬の正常時での呼吸数は、1分間あたり10-30回です。呼吸数が30回を大きく超えるような場合は異常であるため注意が必要です。
老犬の息が荒い時の原因として多いものは以下の通りです。
病気以外の場合
・暑い
外気温が高い、直射日光が当たるなどで暑さを感じると、息が荒くなることがあります。
これはハアハアと呼吸を荒くすることで、体内の熱を外に放出しようとしているためです。
この呼吸をパンティングと呼び、それ自体は正常な反応です。体温が下がればパンティングは落ち着いてきます。
・運動時
人間と同じく、犬も運動をすると呼吸が荒くなります。老犬の場合は筋力や体力の衰えにより若い犬と比べて疲れやすく、呼吸が荒くなりやすい傾向にあります。
・ストレス
犬はストレスを感じると呼吸が荒くなることがあります。老犬は若い犬と比べてストレスに弱いため、少しのストレスでも呼吸が荒くなってしまう傾向にあります。
ストレス要因としては、動物病院に行くこと、急な気温や住環境の変化などが挙げられます。
病気の場合
<心疾患>
老犬になると心臓病の発症が非常に多くなります。心臓病により心不全になると、息が荒い、咳が出る、疲れやすい、胸水・腹水の貯留などの症状が認められるようになります。
犬で発症の多い心臓病としては、次の2つが挙げられます。
・僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症は中高齢の小型犬に多い病気です。僧帽弁閉鎖不全症は、心臓内の弁に異常をきたし血液が逆流することで、心臓内圧の上昇、心臓の大きさの拡大、心拍出量の減少などを引き起こします。
・拡張型心筋症
拡張型心筋症は大型犬に多い病気です。心筋の収縮力の低下や心臓内腔の拡大が特徴的です。
<呼吸器疾患>
肺炎などの呼吸器疾患でも呼吸が荒くなります。老犬で多い呼吸器疾患の例を次に示します。
・誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎は老犬で非常に多い呼吸器疾患の1つです。食べ物や嘔吐物を誤嚥することでそれらが気道内に入り込み、その結果細菌性肺炎となってしまいます。
・気管虚脱
気管虚脱は 6歳齢以上の肥満犬に多い病気です。発症すると、気管がつぶれてしまい、ガチョウの鳴き声のようなガーガーという咳をする、呼吸が荒い、ゼーゼーする、食欲や元気がない、などの症状が見られるようになります。
息が荒い場合の自宅での対処法
息が荒い場合、自宅では次のような対応をしてあげるといいでしょう。
・室温を調整する
暑さが原因の場合は、エアコンや換気などで適度な室温にしてあげるといいでしょう。あまりにも暑い部屋に長時間いた場合、熱中症になってしまうこともあります。
熱中症になっていると、室温を下げても呼吸が改善しないことがほとんどです。
そのような場合には、濡れたタオルや扇風機を使ってできるだけ体温を下げつつ、なるべく早く動物病院を受診するようにしましょう。
・休ませる
散歩や運動をした後に息が荒くなっている時には、よく休ませてあげるようにしましょう。
心臓病などでは疲れやすくなることがあるため、あまりにも体力がなくなった場合は動物病院を受診するようにしましょう。
・環境の変化を避ける
ストレスが原因で息が荒くなっている場合、環境ストレスを減らしてあげることが大切です。
自宅への人の出入りをなるべく少なくしたり、犬が落ち着ける場所を用意してあげたりするといいでしょう。
病気が原因で息が荒い場合の治療法
各病気での治療法は次のとおりです。
・心疾患
僧帽弁閉鎖不全症や拡張型心筋症などの心疾患が原因で息が荒い場合、基本的には内服薬を用いて治療を行います。
強心剤や利尿剤を使い、症状や病気の進行をなるべく軽減しますが、失われた心臓の機能が戻るわけではありません。
・呼吸器疾患
誤嚥性肺炎や気管虚脱が原因の場合、抗菌薬の投与や気管支拡張剤の投与を行います。
症状がひどく、呼吸困難を起こしている場合や全身状態が悪い場合は酸素室での入院が必要になることもあります。
酸素室はレンタルしたり購入したりすることで自宅に用意することもできるため、慢性化していてすぐに息が苦しくなってしまう場合には検討してみるのもいいでしょう。
息が荒くなるのを予防する方法
愛犬が歳を取ってきたら、散歩の時間を短くしたり、暑い時間の散歩を避けたりするようにしましょう。
また、肥満になると体温調節が難しくなったり、気管虚脱の発症リスクが上がったりします。そのため、若いうちから食生活や運動に気をつけ、肥満にならないようにするといいでしょう。