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寝たきりになってしまう原因
近年では犬も人間と同様に長寿命化してきています。そのため、高齢の犬も増え、中には寝たきりになってしまい介護が必要な犬も多くいます。
老犬が寝たきりになってしまう原因としては、次のようなものが挙げられます。
老衰
老衰とは、老化が原因で全身の筋肉や臓器などの身体機能が衰えてしまった状態を指します。
老衰になると筋肉量の減少や多臓器不全などにより起き上がることができなくなってしまいます。
老衰の治療は難しく、基本的には対症療法が行われます。具体的には点滴による脱水の補正や痛みがある場合は痛み止めの投与などが選択されます。
寝たきりの原因が老衰である場合、あまり長くは生きられないことがほとんどです。
ケガ
老犬になると骨や筋肉などの器官が弱ってくることでケガをしやすくなります。後ろ足の骨折などが生じてしまうと、歩行が難しくなりそのまま寝たきりになってしまうことがあります。
老犬は若い犬と比べて治癒力も弱くなっているため、骨折が治るのに時間がかかったり、完全には骨がくっつかなかったりすることも多いです。
また、骨がきちんとくっついたとしても、歩くことができなかった期間に筋肉が衰えてしまい、元のように歩けなくなってしまうことやリハビリが必要になってしまうことも少なくありません。
がん
老犬になると、がんの発生が多くなります。最近元気がなく痩せてきた、元気がないなどの症状で動物病院を受診し、よく調べてみたらがんが原因だったということがよくあります。
がんになると痛みや多臓器不全などにより寝たきりになってしまうことがあります。積極的に治療していく場合は、抗がん剤治療や外科手術、放射線療法などの選択肢があります。
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは犬でよくみられる脊髄の病気で、発症すると首や腰に痛みを生じたり、足の麻痺が生じたりしてしまうことがあります。
ミニチュアダックスフンドやビーグル、フレンチブルドッグ、ペキニーズ、シーズーなどの犬種では遺伝的に「軟骨異栄養症」という病気を発症しており、それが原因で3-7歳齢くらいでの発症が多くなっています。
その他の犬種では中高齢での発症が多いです。治療する場合は外科手術や保存療法などの選択肢があります。
寝たきりになってしまうと生じる問題点
寝たきりになると、次のような問題が生じます。
床ずれ
寝たきりの状態が長いと床ずれを起こしてしまうことがよくあります。床ずれは医学的には「褥瘡」と呼びます。
褥瘡は、寝たきり状態になることにより皮膚の一部分が圧迫され血流が悪くなることで皮膚に炎症を生じてしまうことで形成されます。
健康な犬であれば寝返りを打つことで床ずれの形成を防ぐことができますが、寝たきりの犬では寝返りを打ったり、自力で体の向きを変えたりすることが困難なため、床ずれがよくできてしまいます。
トイレ
寝たきり状態の場合、便や尿を排泄する際にも自力でトイレに移動することができないので、どうしても体が汚れてしまいがちになります。
尿や便で皮膚が汚れたりふやけたりすると皮膚病や褥瘡の原因にもなるため注意が必要です。
自宅でできるケア
愛犬が寝たきりになってしまった場合、自宅では次のようなケアをしてあげるといいでしょう。
こまめに体勢を変えてあげる
ずっと同じ体勢でいると体の一部分だけが圧迫されてしまい、床ずれの原因になってしまいます。
そのため、こまめに体の向きを反対にするなどして体勢を変えてあげるようにしましょう。
体を拭いてあげる
寝たきり状態だと尿や便をする際にトイレに移動できないので、どうしてもその場で垂れ流しになってしまいます。
そのため、特にお尻周りの皮膚や体毛が汚れやすく、皮膚炎などの原因になってしまいます。
1日に何度か体を拭いてあげることで体を清潔に保つことができ、皮膚病などの予防になります。
おむつを履かせてあげる
便や尿による汚れがあまりにもひどい場合や日中は仕事をしていてトイレの世話ができない場合などはおむつを履かせてあげるのもいいでしょう。
体や部屋が汚れてしまうのを軽減することができます。
寝たきりにならないようにしておくべきこと
将来寝たきりになってしまうことを100%予防する方法は残念ながらありません。しかし、以下のような対策を行なっておくと、寝たきりになってしまうリスクを少しでも低減することができるでしょう。
健康診断
歳をとってきたら少なくとも1年に1回は動物病院で血液検査などの健康診断を行うといいでしょう。病気を早期発見・早期治療をすることができます。
無理な運動をさせない
歳をとってきたら激しい運動をさせるのは控えた方がいいでしょう。思わぬケガや椎間板ヘルニアなどの病気の原因となります。
また、ソファに飛び乗ったり、階段を駆け上がったりする行動も腰痛や椎間板ヘルニア、関節炎などの原因となるため注意が必要です。無理のない範囲で適度な運動をさせてあげるようにしましょう。