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認知症とは?
近年では犬の平均寿命が伸び、人間と同様に高齢化が進んでいますが、犬も長生きすると、人間と同じように認知症になってしまうことがあります。
犬が認知症になると、夜鳴きや徘徊などの症状が見られるようになり、飼い主様の睡眠の妨げになったり、介護が必要になったりして大変な思いをされる方も多いです。
今回は老犬に多い認知症について、症状や原因、対処法などを解説していきます。
認知症の症状
認知症を発症すると、次のような症状が見られるようになります。
・夜鳴き
夜になっても寝ないでずっと泣き続け、飼い主様の睡眠が妨げられることがあります。
・徘徊、旋回
同じところをぐるぐる目的もなく歩き続けることがあります。
・食欲が増える
満腹感がなくなり、食事をいくらでも食べるようになってしまうことがあります。
・昼夜逆転
昼間はずっと寝ていて、夜になると活動し始めます。飼い主様との生活リズムがずれるため、お世話が大変になります。
・無気力、無関心
あらゆる刺激に対して無反応になったり、運動したがらなくなったりすることがあります。
・攻撃的な性格になる
急に怒り出して噛みついてきたり、うなったりするようになることがあります。
・トイレを失敗する
トイレではないところでおしっこや便をしたり、トイレに間に合わず漏らしてしまったりすることがあります。
認知症の原因
犬の認知症の原因はまだはっきりとはわかっていません。
人間のアルツハイマー型認知症では、アミロイドβと呼ばれる蛋白質が脳に蓄積することが原因であるとの説が有力になっており、犬の認知症も同様の仕組みで発症する可能性があるとの報告もあります。
今後の研究で原因が明らかになることに期待されます。
認知症の診断
認知症の診断のためには、問診や血液検査、MRI検査などが重要です。
・問診
問診では自宅での問題行動の様子や頻度、これまでかかったことのある病気などを詳しく聴取します。
・血液検査
一般的な血液検査を実施し、認知症以外に問題行動の要因となる異常がないかを確認します。
・MRI検査
脳腫瘍や脳炎などの病変が脳に存在すると、認知症のような症状を示すことがあります。そのためMRI検査を実施し、脳にそのような病変がないことを確認します。
これらの検査で他の行動異常となる要因がないことを確認すると、認知症と診断されます。
認知症の治療
病院での認知症の治療を希望される場合、薬物療法が選択されることが多いです。
抗うつ剤やサプリメント、漢方などを単独、あるいは組み合わせて投与し、治療を行います。夜鳴きや昼夜逆転が原因で飼い主様が寝られないなど困っている場合は、
睡眠薬を処方し、夜眠らせるようにすることもできます。生活に支障が出ているようなら相談してみるのもいいでしょう。
認知症の自宅での対処法
自宅でできる認知症による問題行動の対策としては、次のようなものが挙げられます。
・柵などを設置
徘徊してしまう、攻撃的な性格になったなどの症状が見られる場合、行動を制限するために自宅に柵などを設置するといいでしょう。
・規則正しい生活、適度な運動
昼夜逆転や夜鳴きが見られる時には規則正しい生活と適度な運動をさせることが有効です。日中に運動をさせ、疲れさせることで夜眠ってくれるようになる効果が期待できます。
ただし、老犬の場合は足腰が弱っていたり心臓病を患っていたりすることも多いため、過度な運動はさせないように注意しましょう。
・他の犬との交流
散歩をすることができる場合、適度に他の犬と交流して刺激を与えることで、認知症の進行を予防できることがあります。無理のない範囲で散歩に連れ出してあげるようにしましょう。
・サプリメントや食事
EPAやDHAなどのオメガ脂肪酸は認知機能の改善に役立つとの報告があります。
ビタミンCやビタミンE、βカロテン、セレニウム、フラボノイド、カロテノイド、コエンザイムQ10などの抗酸化物質は認知症の進行予防に役立つと言われています。
これらの成分が含まれているサプリメントや食事を与えることで、認知症の改善や進行予防に役立つ可能性があります。
・叱らない
認知症を発症すると、多くの問題行動が見られるようになり、イライラしてしまい犬を叱りたくなることもあるかもしれません。
しかし、叱りつけると逆に攻撃的な行動を見せるようになったり、問題行動の悪化の要因になったりして逆効果です。
認知症は病気であり、犬も飼い主様を困らせようとしてそのような問題行動をしているのではありません。
なかなか受け入れるのは難しいかもしれませんが、怒らずに広い心をもって接してあげるようにしましょう。
認知症の予防
認知症の予防のためには、脳に適度な刺激を与えたり、適度な運動をさせたりすることが大切です。認知症の完璧な予防法はありませんが、健康なうちから知育玩具で遊ばせたり、
毎日散歩に連れて行ったりすることで、発症リスクを少しでも低減していくといいでしょう。