老犬が震えているときの原因と対処法【獣医師が解説】|桑原動物病院の老犬ホーム・シニアケアサービス
〒371-0804 群馬県前橋市六供町1丁目8-3
老犬が震えているときの
原因と対処法
Causes and remedies when an old dog is shaking
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老犬が震えているときの
原因と対処法
Causes and remedies when an old dog is shaking
Causes and remedies when an old dog is shaking

老犬の震えには寒さや精神的緊張時にみられる生理的要因のほかに関節炎、神経・筋肉、ホルモンや内臓疾患などいろいろな病気によって引き起こされるものがあります。震えのことを「振戦:しんせん」と呼び、起きている時に持続的にみられ、寝ているときには治まるのが一般的です。
老齢犬で起立時に両方の後肢が断続的に振戦していることがあります(老齢性後肢振戦)。いわゆる「老犬のふるえ」は、各種検査を実施しても詳しい原因がわからないこともあります。生活に支障がなければ投薬の必要はありません。しかし、何らかの病気が原因となって震えが起こっている場合には治療が必要です。
低カルシウム血症は多くの疾患で引き起こされるため、その原因となる基礎疾患の治療を行います。
血液中の糖分が低くなりすぎている状態であり、震えよりも昏迷*、昏睡*といった意識状態の変化やけいれんなどの神経症状が見られることが多いです。
震え以外で見られる症状:ふらつき、嘔吐、虚脱
昏迷*:反応がなく、激しい物理的な刺激によってのみ覚醒させることができる状態
昏睡*:反応がなく、覚醒させることができない状態
中毒性物質の摂取により震えを起こすことがあります。
有機リン系殺虫剤、除草剤、有毒食物などの中毒性物質があります。
震え以外で見られる症状:よだれ、嘔吐、昏睡状態
脳に炎症が生じることで震えを引き起こすことがあります。
震え以外で見られる症状:けいれん発作
マルチーズなどの白い被毛を伴う小型犬やミニチュア・ピンシャーなどで発症することが多いですが、毛色や品種に限らずすべての犬種において発生する可能性があります。
小脳の先天性奇形により、動こうとしたとき、動作の開始時に頭部や四肢に震えが認められます。
震え以外で見られる症状:運動障害

震えは日常よく見られる症状です。病気などの痛みで震えこともあれば、寒さやストレスにより身体を震わせることもあります。ご家族の方のお声がけでその震えが止まる、動物が問題なく日常生活を送っている場合には、病気の可能性は低いです。

何度も繰り返し震えが起こる、元気・食欲がない、体重が減少する、意識がない、などの症状がある場合には要注意です。
てんかん発作の予兆であったり、大きな病気が震えを引き起こしていることもあるので、いつもと違う様子であれば早めに動物病院を受診し獣医師に相談するようにしましょう。受診の際には携帯電話などのカメラで症状の動画を撮影すると診察に役立ちます。
高齢動物は体温調整がうまくできないため、動物の様子を良く観察しその子に応じた適正温度を設定(目安24-28℃)してあげましょう。
エアコンの風が直接あたらないように気をつけましょう。
階段、柱、コード類などの危険な場所にはペット用のフェンスなどを活用し環境を整えましょう。滑りやすいフローリングであればクッションマットも良いです。
床に置いた食器から立位で食事をとることが負担になることがります。口の高さまで食器を持ちあげて与えたり、食器を台の上に置いて与えるなどの工夫をすると動物にとって食事がとりやすくなります。また水分不足を防ぐため、食事をふやかすなどの工夫もよいです。
トイレ以外の場所での排泄が多くなりますが、叱っても改善されることはありません。
逆に動物にストレスを与えてしまうかもしれませんので、オムツ使用を検討しましょう。
若い頃元気だったからと言って安心していると、隠れたところに病気が潜んでいたり、すでに病気が進行しているケースもあります。
食事管理、身体のマッサージや適度な運動、床ずれなど生活環境の見直しを行い、動物が過ごしやすい環境を整えてあげましょう。